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小説「新・人間革命」

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薫風1

  九州が
    ありて二章の
        船出かな

 これは、創価学会が、「広布第二章」の大空へ新たな飛翔を開始した一九七三年(昭和四十八年)の三月、北九州市で開かれた第一回「九州青年部総会」を記念して、山本伸一が詠んだ句である。

 句には、九州の同志が担うべき、広宣流布の“先駆”としての使命を、断固として果たし抜き、創価の牽引力になってほしいとの、伸一の限りない期待が込められていた。

 七七年(同五十二年)五月二十二日の夕刻、北九州文化会館(現在の北九州平和会館)の庭で、この句碑の除幕が行われた。

 伸一が見守るなか、同志の代表によって、句碑に掛けられた白布が取り除かれた。

 石に刻まれた金色の文字が、鮮やかに光っていた。伸一の筆である。

 薫風に、拍手が空に舞った。

 伸一は、集っていた九州の同志に語った。

 「いよいよ九州の時代が来たよ。

 広宣流布は東京から始まった。そして、関西も立ち上がり、常勝の新風を送り、学会は大きく羽ばたいていった。今度は、九州の出番だ。九州が立つ時が来たよ。これからは、永遠に『九州ありての学会』『九州ありての広布』でなければならない。

 九州の使命である“先駆”ということは、最後まで、常に“先駆”であり続けるということです。最初は、威勢よく、先陣を切って飛び出しても、途中から疲れて遅れ始め、最後は“びり”になってしまうというのでは、意味がありません。

 初めの勢いだけで、“先駆”であり続けることはできない。持続が大事です。そのためには、緻密な計画性に基づいた地道な努力が必要なんです。したがって、“先駆”とは、“堅実さ”に裏打ちされていなければならないことを知ってください」

 瞳を輝かせながら、皆が頷いた。

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